皇帝ペンギンの生態解説
基本情報
分類:ペンギン目 ペンギン科 オウサマペンギン属
生息地:南極周辺
体長:120㎝前後
体重:30㎏前後
寿命:約20年
餌:魚介類
天敵:シャチ,ヒョウアザラシなど
見た目
現存するペンギン種の中で最も大きいのが皇帝ペンギンで、雛の頃は顔が白く体は灰色をしていますが、大人になると顔は真っ黒になり体の色は背中側は黒く、お腹側は白くなります。
皇帝ペンギンは王様ペンギン(キングペンギン)に見た目が似ているためよく間違われますが、王様ペンギンのほうが少し小さかったり、体の色やくちばしの長さなど細かいところで違いがみられます。
潜水能力が高いのに浅いところが好き
皇帝ペンギンは鳥類の中では最も潜水能力が高いといわれていて水深500mまで潜ることができます。潜水時間も20分と潜水能力の高さが目立ちますが皇帝ペンギンが深水500m近くまで潜ることはめったにありません。むしろほとんどの皇帝ペンギンが深水200m以下までしか潜らないそうです。その理由としては深くまで潜る目的がないから(諸説あり)らしいですが、それならなぜ潜水能力に長けているのかと疑問も生まれます。進化の過程で潜水能力が落ちたのか、それと上がっていったのか気になるところではあります。
世界一過酷な子育て法
皇帝ペンギンは1万羽近くの群れで繁殖地に向かい、そこでオスとメスがパートナーを探します。皇帝ペンギンは基本的に一夫一妻制で1組のカップルが1つの卵を産みます。鳥類なので1度に3個ぐらいの卵を産みそうなのですが、あの大きい体で1つしか生まないのは不思議なことです。
卵を産んだメスは海に帰るので卵の面倒を見るのはオスの役目となりますが、なんとオスは2ヵ月もの間ただひたすら卵を温め続けるのです。時にはマイナス50℃まで気温が下がる環境で何も食べずに卵を温め続けるのはすごいことです。
雛がかえるころになるとメスが戻ってきて子育てはバトンタッチとなります。雛がかえってメスが戻るまでの間、雛のご飯はオスの粘膜が剥がれ落ちた「ペンギンミルク」と呼ばれるものを与え育てます。
メスが戻るとオスは海に帰るわけですが海から遠く離れて地で子育てをしているため海に帰るのは大変なことです。さらに2か月以上の絶食期間で体重は半分近くも落ち体力はほとんど残っていません。そのため海に戻ることができないオスペンギンもいるのです。
最後に
皇帝ペンギンの生態を調べるとやはり「世界一過酷な子育て」という情報が目立ちますが、本当に大変だなと思うかぎりです。特にオスに至っては過酷すぎるぐらいの子育てです。可愛い裏面にこんな子育てがあると水族館やテレビで皇帝ペンギンを見る目が少し変わりそうです。